すまい給付金は令和3年12月31日までに引き渡され入居が完了した住宅が対象のため、給付対象外の人がほとんどです。一方で住宅ローン減税は税制改正された今も続いており、対象の人が多くいます。
すまい給付金とは、一定の所得以下の住宅取得者に対し、現金を給付する制度
住宅ローン控除の効果が及びにくい所得者層に対し、住宅の引渡を受けてから1年以内に申請すると現金がもらえます。
この制度は消費税引上げに対する負担を軽減するためにできた制度です。
すまい給付金については国土交通省が特集ページを用意しておりますが、少し難解なところがあります。
- すまい給付金を調べたけど難解でよくわからない
- すまい給付金の適用要件や対象となる住宅の要件を知りたい
そこで今回の記事では「すまい給付金」にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことであなたはすまい給付金の制度や給付要件、対象となる住宅について分かるようになります。
- すまい給付金は、令和3年12月31日までに引き渡され入居が完了した住宅が対象のため、今はほとんどの人が給付対象外
- すまい給付金とは、住宅ローン控除による負担減効果が及びにくい人に対して現金を給付する制度
- すまい給付金は、住宅の引渡を受けてから1年間以内に給付申請を行えば、住宅取得者の収入および持分割合により決定された給付額が指定の口座に入金される
- すまい給付金の収入額は、市区町村が発行する課税明細書に記載されている都道府県民税の所得割額で確認
すまい給付金とは
すまい給付金は、消費税率の引上げに対する低所得者層への負担軽減措置として設けられた制度となります。
消費税は、所得が低い人ほど、負担感が増す税金となります。住宅には、建物に関して消費税が発生します。
非常に大きな消費税が発生することから、収入が一定かの人に対しては、現金を給付することで負担感を和らげてもらおうというのがすまい給付金になります。
住宅ローン控除との違い
一方で、住宅ローンを組む人に対しては、住宅ローン控除という税金を緩和する制度があります。
住宅ローン控除は、所得税等から最大35万円まで控除する仕組みであるため、そもそも所得税が35万円に満たない人は控除額も少なく、低所得者にはその効果が小さくなります。(※2022年4月1日~の税制改正後)
※出典:国土交通省「すまい給付金とは」より
すまい給付金は、低所得者に現金を給付する制度を設け、住宅ローン控除の機能が十分に果たせない部分を補完するものということです。
すまい給付金の額と受け取り方
すまい給付金は、住宅の引渡を受けてから1年間以内に給付申請を行えば、住宅取得者の収入および持分割合により決定された給付額が指定の口座に振り込まれます。
すまい給付金の給付額は以下のように計算されます。
給付額 = 給付基礎額 × 持分割合
持分割合は、不動産の登記簿謄本に来偎されている持分割合で確認できます。
ちなみに、すまい給付金は条件を満たせば住宅ローンを利用しない人でも対象となります。
すまい給付金の給付額と要件
すまい給付金を利用できる人は以下の要件を満たした人になります。
- 住宅の所有者:不動産登記上の持分保有者
- 住宅の居住者:住民票において、取得した住宅への居住が確認できる者
- 収入が一定以下の者[8%時]収入額の目安が510万円※2以下[10%時]収入額の目安が775万円※2以下
- (住宅ローンを利用しない場合のみ)年齢が50才以上の者※1
※1 10%時には、収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加されます。
※2 夫婦(妻は収入なし)及び中学生以下の子供が2人のモデル世帯において住宅取得する場合の夫の収入額の目安です。※出典:国土交通省「すまい給付金とは」より
すまい給付金は収入に応じて給付基礎額というものが決まります。
ここで言う収入額ですが、すまい給付金の収入額は、市区町村が発行する課税明細書に記載されている都道府県民税の所得割額で確認します。
所得割額から給付基礎額が決定されますが、一応、所得割額から収入の目安を出すことも可能です。
すまい給付金の要件の中には、「収入が一定以下」という要件があります。
収入要件は目安として775万円以下になります。
「収入の目安」および「都道府県民税の所得割額」「給付基礎額」の関係は以下の通りです。
収入額の目安 | 都道府県民税の所得割額 | 給付基礎額 | |
---|---|---|---|
政令指定都市以外 | 政令指定都市 | ||
450万円 | 7.60万円以下 | 3.800万円以下 | 50万円 |
450万円超525万円以下 | 7.60万円超9.79万円以下 | 3.800万円超4.895万円以下 | 40万円 |
525万円超600万円以下 | 9.79万円超11.90万円以下 | 4.895万円超5.950万円以下 | 30万円 |
600万円超675万円以下 | 11.90万円超14.06万円以下 | 5.950万円超7.030万円以下 | 20万円 |
675万円超775万円以下 | 14.06万円超17.26万円以下 | 7.030万円超8.630万円以下 | 10万円 |
実際の給付金については「すまい給付金シミュレーション」を使うといくらもらえるか簡易計算できます。
すまい給付金が対象となる中古住宅の要件
すまい給付金は、良質な住宅ストックの形成を促す目的もあるため、住宅の質に関する一定 の要件を満たした住宅が対象となります。
すまい給付金の対象となる住宅は、新築または中古ともに、以下の要件を満たす必要があります。
床面積(新築・中古、住宅ローンの有無問わず)
床面積が50m2以上である住宅(下記一定の期間内に契約した場合は、40m2以上)
- 注文住宅の新築の場合:令和2年10月1日から令和3年9月30日まで
- 分譲住宅の取得の場合:令和2年12月1日から令和3年11月30日まで
施工中の検査(新築のみ、住宅ローンの有無問わず)
施工中等に第三者の現場検査をうけ一定の品質が確認される以下の1~3のいずれかに該当する住宅
- 住宅瑕疵担保責任保険(建設業許可を有さないものが加入する住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)へ加入した住宅
- 建設住宅性能表示を利用する住宅
- 住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施された住宅
住宅取得者年齢(新築・中古、住宅ローンの利用が無い人のみ)
年齢が50才以上の者※が取得する住宅。※収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加されます。
(独)住宅金融支援機構のフラット35S と同等の基準を満たす住宅(住宅ローンの利用が無い人のみ)
- (1)一次エネルギー消費量等級5の住宅(※2)(※3)
- (2)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅
- (3)高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同住宅の専用部分は等級3でも可)
- (4)長期優良住宅※4
売買時等の検査(中古のみ、住宅ローンの有無問わず)
売買時等に第三者の現場検査をうけ現行の耐震基準及び一定の品質が確認された以下の1~3のいずれかに該当する住宅
- 既存住宅売買瑕疵保険とは?既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅
- 既存住宅性能表示制度を利用した住宅(耐震等級1以上のものに限る)
- 建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険(人の居住の用に供したことのない住宅を目的とする住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)に加入している住宅又は建設住宅性能表示を利用している住宅
住宅の種類(中古)
- 消費税の課税対象となる住宅であること
※出典:国土交通省「対象要件(新築住宅)」「対象要件(中古住宅)」、住宅金融支援機構「【フラット35】Sの技術基準の概要」
上記の要件の中で「床面積が50㎡以上」というのは登記簿謄本に記載された面積のことを指します。
※出典:国土交通省「住宅ローン減税制度利用の要件」より
登記簿謄本の床面積とは、壁の内側から計測した面積です。これを「内法(ウチノリ)面積」と呼びます。
マンションの場合、パンフレットに書かれている面積は、壁の中心部分から計測した面積になります。
これを「壁芯(ヘキシン)面積」と呼びます。
内法面積と壁芯面積では、壁芯面積の方が1割程度差大きい場合もあります。
マンションを購入する場合には、内法面積がしっかり50㎡以上あるかどうかを確認してから購入することが必要です。
既存住宅売買瑕疵保険とは、購入した不動産に瑕疵が発見されたときに、その修繕費用を保険金によってカバーができる保険のこと
さらに、中古住宅に関しては、消費税の課税対象である必要があります。
消費税の課税対象となる住宅とは、宅地建物取引業者による買取再販など法人から取得する住宅のことを指します。
個人が売主となる住宅は、個人は消費税の課税事業者ではないため、建物に消費税が発生しません。
同じ中古住宅でも、消費税は売主が法人などの課税事業者か、個人の非課税事業者かによって発生の有無が異なります。
中古住宅の場合には、個人から購入する住宅に関しては、すまい給付金の対象とはならないということに注意をしておきましょう。
ちなみに、新築住宅に関しては、ほとんどがディベロッパーなどの開発事業者から購入することが多いです。
開発事業者は、原則として消費税の課税事業者であるため、新築物件には消費税が発生します。
住宅ローン減税制度
住宅ローン減税制度とは、金融機関から返済期間10年以上の融資を受けて住宅の取得等をした場合に、一定期間にわたり居住の用に供した年に応じて、所定の額が所得税から控除される制度
住宅ローンの減税は、2021年の税制改正により2022年4月1日~から新しい控除が適応となります。
今回の改正後の住宅ローン控除は下記のようになります。
項目 | 新築住宅 | 中古住宅 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
住宅の種類 | 認定住宅 | ZEH(ゼッチ) | 省エネ基準 | その他 一般新築住宅 |
中古 認定住宅 |
中古 一般住宅 |
控除率 | 0.7% | |||||
控除期間 | 13年 | 10年 | ||||
住宅ローン残高の上限 | 5,000 万円 | 4,500万円 | 4,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 | 2,000万円 |
1年間の控除額 | 35万円 | 31.5万円 | 28万円 | 21万円 | 21万円 | 14万円 |
トータルの最大控除額 | 455万円 | 409.5万円 | 364万円 | 273万円 | 210万円 | 140万円 |
所得税から控除される住宅ローン控除額は以下の式で計算されるものになります。
ローン控除額 = 年末借入金残高 × 控除率
住宅ローン控除額は、宅建業者等から物件を購入した場合、年間最大で35万円の控除額が得られます。
収入が高く、所得税および住民税が35万円以上となっている人は、最大35万円の控除額をマックスで使い切ることができるため、効果が大きくなります。
一方で、所得が低く、そもそも所得税および住民税が35万円を大きく下回る場合、住宅ローン控除の恩恵を多く享受することができません。
住宅ローン控除は、所得が高い人の方が恩恵を受ける部分があるため、すまい給付金によって公平性が保たれていることになります。
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まとめ
すまい給付金は一部条件を除き令和3年12月31日で終了しほとんどの方が給付対象外となりました。
[現在の年月]現在でも住宅ローンの減税制度はありますので、住宅ローン減税の適応を確認するようにしましょう。