私達の大切な住まいを、外部の環境要因から守るのが外壁塗装です。
その一方、塗装費用の相場や内訳を知らないために、損をしてしまう人がいる現状があります。
特に、40坪の住宅はほぼ全国平均に等しく(全国平均38坪)、
※出典:住宅金融支援機構
多くの業者が存在するため、正しい相場を知ることは不可欠です。
この記事では、40坪の住宅における外壁塗装のポイントに焦点を当て、以下の3点について詳しく説明します。
-
40坪の土地の外壁塗装の相場ってどれくらい?
-
間取りや階数によってどれくらい値段が変わるの?
-
外壁塗装の際に気をつけることは?
まず結論からお伝えすると、40坪の住宅における外壁塗装の相場は下記のようになります。
2階建て(170㎡) | 3階建て(200㎡) | ||
---|---|---|---|
全体合計 | 67.3~168万円 | 80~180万円 | |
塗料合計 | 20.4~93.5万円 | 24~110万円 | |
塗料 | アクリル | 20.4~30.6万円 | 24~36万円 |
ウレタン | 23.8~34万円 | 28~40万円 | |
シリコン | 37.4~59.5万円 | 44~70万円 | |
フッ素 | 54.4~79.9万円 | 64~94万円 | |
無機 | 71.4~88.4万円 | 84~104万円 | |
遮熱 | 76.5~93.5万円 | 90~110万円 | |
その他合計 | 46.9~74.5万円 | 56~70万円 | |
その他 | 足場代 | 10.2~17万円 | 12~20万円 |
付帯部 | 12~15万円 | 12~15万円 | |
飛散防止ネット | 1.7~3.4万円 | 2~4万円 | |
高圧洗浄 | 1.7~5.1万円 | 2~6万円 | |
養生 | 4.3~6.8万円 | 5~8万円 | |
コーキング | 17~27.2万円 | 20~32万円 |
項目ごとの計算方法は後ほどお伝えしますが、とりあえずは
40坪の住宅の外壁塗装の相場
- 2階建て:67.3~168万円
- 3階建て:80~180万円
と覚えておきましょう。しかし、
「相場になぜこんなにも差があるの?」
と思う人も多いでしょう。
その理由として、平均的な広さである40坪の住宅は
- 間取りやデザインが住宅によってバラバラ
- 家庭により、使用する塗料が異なる
という特徴があるからです。
その結果、40坪の住宅の外壁塗装において、面積の過小/過大評価による見積もりが適切に行われない注意点や、意図に反した塗料使用を防ぐ必要があります。
そんな40坪住宅の外壁塗装に対して、この記事を読むことによって、
- 自分でできる外壁塗装の相場の算出方法
- 塗料選びについての知識
- 40坪の外壁塗装を行う際に考慮すべき点
の3点がわかるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
40坪の外壁塗装における計算方法
まず、外壁塗装の費用の計算方法を説明していきます。
外壁塗装の費用をだす際に重要なのが、塗装面積(=実際に塗装をする面積)です。
塗装面積と塗装面積あたりにかかる各項目の費用をかけることで、出すことができます。
外壁塗装の費用の出し方
- 塗装面積(㎡)×塗装面積(㎡)ごとの各項目費用
塗装面積は㎡と係数で表す
塗装面積は坪でなく平方メートル(㎡)で計算され、1坪は3.3㎡になります。
また塗装面積は、実際の住宅の㎡(1坪×3.3m)で計算されるわけでなく、さらに係数をかけることになります。
係数
正方形の住宅は珍しく、屋根の曲線やベランダの突起部分など塗装追加部分を考慮しなければいけません。その余剰部分を係数とし、住宅の形によって異なりますが、1.2〜1.5が平均値と言われています。
40坪の塗装面積は約170㎡
上記を参考に、40坪の塗装面積を出してみましょう。(※係数は1.3とします。)
計算式=坪×平方メートル×係数
実数=40×3.3×1.3=170㎡
40坪の場合、塗装面積は約170㎡であると覚えておきましょう。
40坪の外壁塗装における階数や間取りによる費用の違い
では2階住宅と3階住宅の違いを見ていきましょう。
2階建てと3階建てで変わってくるのは係数
2階も3階も塗装面積の出し方は変わりません。
大きく変わるのが係数になります。
計算式=坪×平方メートル×係数
2階の住宅よりも3階の住宅の方が、塗装追加部分が大きいとされ、1.4〜1.7と言われます。
係数の目安
- 40坪の2階住宅=1.2~1.5
- 40坪の3階住宅=1.4〜1.7
また、間取りや突起の多さなどによって、この係数は小さくなったり大きくなったりします。
40坪の3階建て住宅の塗装面積
仮に係数を1.5とおいた場合、40坪の3階住宅は約200㎡となります。
計算式=40坪×平方メートル×係数
実数=40×3.3×1.5=200㎡
40坪の外壁塗装における費用の内訳
外壁塗装における費用項目は下記7つに分類できます。
7つの費用項目
- 塗料
- 足場代
- 付帯部
- 飛散防止ネット
- 高圧洗浄
- 養生
- コーキング
ではそれぞれ、40坪の場合どれくらいかかるかみていきましょう。
内訳①:塗料(40坪の相場)
費用の内訳でもっとも大きいのが、塗料です。
そんな塗料でも、どの種類を選ぶかによって大きく費用が変わってきます。そのため、ご自身の理想の住宅にあった塗料を選ぶことが大切になります。
下記が主要な塗料の1㎡あたりの相場になります。
1㎡あたりの相場
- アクリル塗料:1,200-1,800円
- ウレタン塗料:1,400-2,000円
- シリコン塗料:2,200-3,500円
- フッ素塗料:3,200-4,700円
- 無機塗料:4,200-5,200円
- 断熱塗料:4,500-5,500円
40坪の2階建て、3階建てごとで計算すると下記のようになります。
2階(170㎡とする) | 3階(200㎡する) | |
---|---|---|
アクリル塗料 | 20.4〜30.6万円 | 24〜36万円 |
ウレタン塗料 | 23.8〜34万円 | 28〜40万円 |
シリコン塗料 | 37.4〜59.5万円 | 44〜70万円 |
フッ素塗料 | 54.4〜79.9万円 | 64〜94万円 |
無機塗料 | 71.4〜88.4万円 | 84〜104万円 |
遮熱塗料 | 76.5〜93.5万円 | 90〜110万円 |
見ての通り、どの塗料を使うかによって大きく変わりますが、相場は下記のように計算できます。
40坪住宅の塗装相場
- 2階住宅:20.4〜93.5万円
- 3階住宅:24〜110万円
値段と効果を考え、業者と相談しながら塗料を決めると良いでしょう。
内訳②:足場代(40坪の相場)
足場代とは、作業を行うために必要な足場の設置に必要な費用です。
1㎡あたりの相場は下記となり、
- 足場代:600〜1000円
40坪の2階・3階の場合に計算すると下記のようになります。
2階(170㎡とする) | 3階(200㎡する) |
---|---|
10.2~17万円 | 12~20万円 |
内訳③:付帯部(40坪の相場)
雨樋や軒天、破風板を付帯部と呼び、これら部分の塗装は別途費用になり、塗装面積とは関係ありません。
相場はそれぞれ下記となり、
- 雨樋:4〜5万円
- 軒天:4〜5万円
- 破風板:4〜5万円
付帯部全体で12〜15万円ほどになります。
内訳④:飛散防止ネット(40坪の相場)
塗料が近隣の住宅への飛散を防ぐために使用される養生を飛散防止ネットと言います。
1㎡あたりの相場は下記となり、
- 飛散防止ネット代:100〜200円
40坪の2階・3階の場合に計算すると下記のようになります。
2階(170㎡とする) | 3階(200㎡する) |
---|---|
1.7~3.4万円 | 2~4万円 |
内訳⑤:高圧洗浄相場(40坪の相場)
塗装を綺麗に塗るために、事前に洗浄を行う必要があります。
1㎡あたりの相場は下記となり、
- 高圧洗浄代:100〜300円
40坪の2階・3階の場合、計算すると下記のようになります。
2階(170㎡とする) | 3階(200㎡する) |
---|---|
1.7~5.1万円 | 2~6万円 |
内訳⑥:養生(40坪の相場)
塗装をする際に保護したい箇所、具体的にはドアや窓、サッシなど塗料の付着を防ぐ箇所にマスキングテープを貼る作業になります。
1㎡あたりの相場は下記となり、
- 養生代:250〜400円
40坪の2階・3階の場合に計算すると下記のようになります。
2階(170㎡とする) | 3階(200㎡する) |
---|---|
4.3~6.8万円 | 5~8万円 |
内訳7:コーキング(シーリング)代(40坪の相場)
最後の項目になります。
充填剤を入れ、壁同士の隙間を埋めることをコーキングと言います。
水の侵入を防ぐことを目的とする作業になり、1㎡あたりの相場は下記となります。
- コーキング代:1,000〜1600円
40坪の2階・3階の場合に計算すると下記のようになります。
2階(170㎡とする) | 3階(200㎡する) |
---|---|
17〜27.2万円 | 20~32万円 |
項目は多いからこそ、相場を把握するのが大切じゃ。下記に全ての項目をまとめたので参考にしてみるんだ!
2階建て(170㎡) | 3階建て(200㎡) | ||
---|---|---|---|
全体合計 | 67.3~168万円 | 80~180万円 | |
塗料合計 | 20.4~93.5万円 | 24~110万円 | |
塗料 | アクリル | 20.4~30.6万円 | 24~36万円 |
ウレタン | 23.8~34万円 | 28~40万円 | |
シリコン | 37.4~59.5万円 | 44~70万円 | |
フッ素 | 54.4~79.9万円 | 64~94万円 | |
無機 | 71.4~88.4万円 | 84~104万円 | |
遮熱 | 76.5~93.5万円 | 90~110万円 | |
その他合計 | 46.9~74.5万円 | 56~70万円 | |
その他 | 足場代 | 10.2~17万円 | 12~20万円 |
付帯部 | 12~15万円 | 12~15万円 | |
飛散防止ネット | 1.7~3.4万円 | 2~4万円 | |
高圧洗浄 | 1.7~5.1万円 | 2~6万円 | |
養生 | 4.3~6.8万円 | 5~8万円 | |
コーキング | 17~27.2万円 | 20~32万円 |
いかがでしたか?
相場が分かったここで、
- 思ったより高いな…
- 費用を安くする方法を知りたい…
と思う人もいるでしょう。
下記の記事で外壁塗装の費用を安くする2つのポイントを紹介してますので、ぜひ参考にしてみてください。
スマホ2分で数十万円以上も安くなる場合もあります。
では最後に、40坪の外壁塗装をする上での注意点を紹介します。
40坪の外壁塗装をする際の注意点
40坪の住宅の外壁塗装の際は、主に以下の2つのポイントに注意し、慎重に塗装業者を選びましょう。
2つの注意点
- 塗装面積の適正な評価
- 適切な塗料の選択
①:塗装面積の適正な評価
冒頭でも説明した通り、多くの家庭が40坪の住宅に住んでおり、その間取りはさまざまです。そのうえで、多くの施工業者が40坪の住宅を対象にしているため、業者によって見積もり額が異なることがあります。
面積の過小評価や過大評価が行われると、見積もりや塗料の使用量が不足または余剰となる可能性があるため、3つ以上の業者に見積もりを依頼し、それらの情報を比べてみましょう。
その際に、まずは本記事で紹介した計算方法を用いて、ご自身で費用の見積もり額を出し、業者から提示された額と比較してみることが重要です。なぜその面積が出たのか、どの数字から算出したか説明してくれるか確認をしましょう。
②:適切な塗料の選択
上記で説明した通り、外壁塗装費用の内訳でもっとも大きいものが塗料です。
費用を抑えることも大事ですが、耐久性などの性能も大切です。例えば、アクリル塗料などは確かに安いですが塗膜の耐久性は5~7年と短く、防カビ性や低汚染性などの面で物足りなさを感じることでしょう。
コストパフォーマンスを考え、ご自身にもっとも合う塗料を選ぶことが大切です。
参考までに、下記に塗料の種類とそれぞれの耐久性を記載しておきます。
耐久年数 | 塗料名 |
---|---|
5~7年 | アクリル塗料 |
8~10年 | ウレタン塗料 |
7~15年 | シリコン塗料 |
15~20年 | フッ素塗料 |
20年以上~ | 無機塗料 |
塗装業者選びの重要性
上記のような外壁塗装の知識の低さに漬け込み、必要以上に高い値段を提示する悪徳業者が増えています。驚く人もいると思いますが、外壁塗装は、訪問販売によるトラブルがとても多い業界です。
※出典:消費者庁
上記二点(塗装面積の適正な評価・適切な塗料の選択)をしっかりと考慮し、適正価格を提示する業者を選びましょう。
トラブルに巻き込まれない方法も下記記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
外壁塗装への理解は深まりましたか?
この記事では、
- 自分でできる外壁塗装の相場が算出方法
- 塗料選びについての知識
- 40坪の外壁塗装を行う際に考慮すべき点
をお伝えしました。
費用項目のおおい外壁塗装だからこそ、相場、そして費用の出し方を把握するのはとても大切です。
また40坪の住宅特有の注意点も忘れずにしましょう。
この記事を通じてあなたが満足のいく外壁塗装ができれば幸いです。